マダガスカルの緑コショウ

マダガスカルもインド洋の島ですから、スパイス類が豊富。コショウも栽培されていて、白コショウ、黒コショウ、赤コショウなども売られています。緑コショウというのもありますが、緑コショウだけは、まだ未熟なコショウで、乾燥させずに粒の実をそのまま料理に使います。レストランなどではよくステーキにかけるソースなどに使われています。乾燥したコショウほど辛くはないですが、爽やかなスパイシーさが楽しめます。

マダガスカルの緑コショウと豚肉のソテー

この写真にあるのは、豚肉を緑コショウと一緒にソテーしたもの。写真のコショウは赤い色ですが、一般的には緑豆のような緑色をしています。さて、写真のは赤くても分類上はこれも「グリーン・ペッパー」、フランス語ではpoivre vertです。「緑色」というよりは「若い」という意味で緑なのでしょうか。大農園ではなく、田舎の農家が作ったためか、粒も貧弱で不ぞろい、値段も一人分数円程度と格安でした。下の写真が買ってきた時の状態です。

マダガスカルのpoivre verde

マダガスカルの村の道路事情 壊れている橋

マダガスカルの村へ出かける時によく困るのが道路。雨季で冠水していることもあれば、この写真のように橋が壊れて通れないこともしばしば。

マダガスカルの壊れた橋

徒歩や自転車ならとりあえずは通れるのですが、牛や耕運機(こちらではキボタと呼ぶ)がひく荷車や、自動車はもちろん通れません。バイクで通りかかったプロジェクトスタッフが、橋を渡っている最中に橋板が折れ、バイクごと川に転落したことも。

ライチの取り木

マダガスカルはライチの輸出国。おもにヨーロッパなどに輸出されており、日本にはあまりマダガスカル産ライチは入ってきていないようです。

今仕事をしているアロチャ湖周辺でもライチは取れるのですが、まとまった量の木はなく、現地消費がせいぜい。でも、ここにはアドバンテージが一つあります。それは、輸出用ライチを作っている地域とは、ライチの出荷時期がずれること。

つまり、向こうのライチの出荷が終わってから出荷ができること。既存の一大ライチ産地と競合しなくて済みます。無論いきなり当地産のライチを輸出できるかどうかは、かなり怪しいですが、首都へ出すならかなり現実的ではないかと考えています。

ライチの取り木

そこで勧めているのがライチの取り木。ライチの木を持っている人の果樹園でライチの取り木の研修をさせていただき、プロジェクトができたら一の苗を買い取ります。研修参加者にライチの苗木を植えてもらい、また余った苗木は他の人たちに配布して植えてもらいます。

こうしてライチの木の数を一挙に増やせば、数年後にはライチの実の生産量もぐっとアップするのではなかろうか、という寸法。さて、ライチ増産計画はうまく行くかどうか。

マダガスカルのクスノキ

マダガスカルにもクスノキがあります。日本のクスノキからは樟脳が取れますが、マダガスカルのクスノキには樟脳成分があまりなく、全く別の薬用成分が多く含まれているそうです。マダガスカルのクスノキは多分どこかから持ち込まれたものだと思いますが、なぜ独特の成分を有するのか詳しいことはわかりません。

マダガスカルのクスノキからはエッセンシャルオイルが取れますし、また葉を現地の人たちは薬として使います。そのためクスノキは大人気。かなり高値で取引されています。

クスノキを増やすのは容易ではなく、特に発芽させるのが難しいのです。それがクスノキの希少価値を高めています。

そこで、クスノキのタネをまく研修を企画しました。車で3時間かかるところで苗畑を経営する技官の人をお願いして、クスノキの種を購入。彼が開発したクスノキの種まき技術を伝授していただきました。何年かして、この地域がクスノキの一大生産地になっていると良いのですが。

ユーカリの稚樹を泥団子へ移植 ポット不要の技術

マダガスカルの田舎の人たちは薪に困っているせいもあり、かなり植林には積極的。でも実際にやろうとすると、主要樹種であるユーカリを植えかえるのに使うポットがなかなか手に入りません。プロジェクトであっても、大量のポットを遠くから調達して運ぶのはかなり手間です。

ポットのいらない方法はないか、と思っていたら、マダガスカルでは泥団子に移植する方法があるとか。早速見せてもらいました。インターネットの接続速度が遅いので、解像度はかなり落としてあります。

この泥団子、苗畑にどれくらいの間置いておけるのか?とか、調べたいことはいくつもありますが、とりあえずポット代もいらず、コストパフォーマンスは抜群。植栽後にそこそこの生存率を示せば、かなり有望な技術となるかも。

マダガスカルでの研修

マダガスカルでの研修風景

マダガスカルの農村で、主にユーカリの木を育てる苗畑の研修をしている風景。この集落は約30戸余りの小さな所。出席者のほとんどは男性ですが、女性や子どもは近くで見ています。

この「近くで見ることができる」というところで研修を実施するのが大切。こうすれば、他の人にも「何かやっている」とわかりますし、正式に参加していなくても耳をそばだてていれば内容はわかります。

マダガスカルの土砂崩れ(ラバカ)

マダガスカルの土砂崩れ ラバカ

この写真(クリックすると一回り大きな写真が表示されます)で紹介しているのはラバカ(マダガスカル語で穴の意味)と呼ばれる大きな土砂崩れです。大小さまざまなものがありますが、これは深さは100メートルあまり、直径は500メートルと言ったところでしょうか。

デジカメを広角にしても入りきりませんから、これは4枚くらいに分けて撮影したものを、コンピュータ上で繋いだ写真です。

よく見て頂くとわかりますが、ラバカの上の斜面や向こうの方に見える山にも、ほとんど植生がありません。つまり、本来森があったはずのところが、痩せた草がしょぼしょぼ生えるだけの荒れ地になってしまっているのです。

ラバカは昔から発生していたと考えられますが、人間が入り込んで農業や牧畜を始めて以来、火入れなどで森林が荒廃。土地の保水力も大幅に低下して、ラバカの発生を加速してしまっていると考えられています。

このラバカ、日本の地滑りとは違い、人的被害の報告はあまりありません。日本の地滑りの場合は、斜面が一度に滑り落ち、大量の土砂が一挙に押し寄せますが、ラバカの場合はぼろぼろと弱いところから崩れ、その土砂が雨で下流に流されて来る、という感じです。

もちろん一挙に来ないだけで、上の写真の「穴」にかつてはどれくらいの土砂が詰まっていたかを考えれば、下流に流れ出た土砂の量は相当なものであることがわかります。

この下流域には水田地帯が広がっており、ラバカから流れ出た土砂は川や用水路の底にたまり、また水田に流れ込んで、米作りに大きな被害を出しているのです。

それで植林やラバカのコントロールが急務になっているわけですが、正直このサイズのラバカになったら、崩落を止めるのは容易ではありませんし、可能であるとしても莫大な費用がかかります。

小さなラバカは地域の住民の人に土砂の流出を抑える方法を教えて凌ぐ予定ですが、このような巨大ラバカになっては、もう住民だけでは手の施しようがない、というのが現実です。

マダガスカルの小規模養豚

マダガスカルの豚

マダガスカルの農家にとって豚は大切な財産であり、養豚は現金を得るための大切なビジネスです。

ただし時折伝染病が発生しているそうで、数年前には村の中の豚が全滅した、というケースもあったとか。

また、ここで行われているのは養畜で、子豚を購入してきて育てて売る、というもの。子豚の値段も安くはありませんし、病気のリスクもある、ということで、ある程度余裕のある農家しか豚を飼うことはできません。