マダガスカルのインターネット事情

マダガスカルのインターネット事情 SIMフリーのスマホも使えます

マダガスカルでは首都のアンタナナリボならば、中級以上のホテルで無線LANなどが利用できます。一方地方のホテルでは、インターネット接続サービスはないものと考えておく方が安全です。

マダガスカルにも日本のADSLのような有線でインターネットに接続するサービスもありますが、一般的には携帯電話の電波を使った、モバイルモデムを利用するのが一般的です。

マダガスカルの通信会社

マダガスカルにも複数の携帯電話会社兼通信会社があります。2013年現在代表的なものとしてはTELMA、AIRTEL、ORANGEがあります。これらの会社が携帯電話回線を使ったインターネット接続も提供しています。仕組みは日本のスマホやタブレットにSIMカードを入れるのと全く同じです。この中ではTELMAが一番電波が届く範囲が広く、特に地方ではTELMA出ないと接続できないところがまだまだ多くありますので、私もTELMAを利用しています。ですので、以下はTELMAの利用法を紹介します。

TELMAの利用

TELMAはインターネット通信の方法として、本来電話のブランドであるTELMAと、データ通信専用のMOOVとを持っています。下がMoovのインターネット接続用モデムです。

短期滞在者はMoovは避けよう

Moovのモデム

MoovはTELMAよりも若干接続スピードが速いと言われています。ただし、TELMAや他の通信各社のサービスのように、器具やSIMカードを店頭で購入してすぐに使うということができず、きちんとした契約が前提になりますから、主に法人や長期滞在者などが使用するものと考える方が良いです。

また手続きも意外に面倒ですし、私の場合、開通までに数カ月も待たされてしまいました。開通後の料金トラブルなども経験しており、時間がない人にはお勧めできません。プリペイド方式のプランもありますが、モデムの在庫がないと言われる時もあるようです。

Moovに関してはマダガスカル人も「存在意義がわからないサービス」と言っています…

携帯電話用SIMを使うTELMAが標準

一方のTELMAにも複数の種類があり、USBから電源をとるモバイルルーターを利用し、一ヶ月の使用量に応じて料金を支払う契約もありますが、これも長期滞在者向けです。

一般の方に勧められるのは、TELMAの契約電話用のSIMカードを使うインターネット接続サービスです(TELMAのモデム購入時の話はこちら)。下の写真はTELMAのインターネットモデムで、PCのUSBに差し込んで使用します。ルーター機能はありませんから、インターネットに接続できるのは基本的には一台のPCだけです。このインターネットモデムをSIMカードと一緒に購入します。下の写真、インターネットモデムの外見と、蓋をあけてSIMを刺したところです。

TELMAのインターネットモデム TELMAのSIMカード

このモデムは中国の会社のものですが、ドライバーソフトに問題があり、モデムを使用していない時でも接続状況(あるいは接続していない状況)のログファイルを、どんどん貯め込んで行ってしまいます。PCが起動している間は数秒おきにログファイルを大きくしていきますから、PCのパフォーマンスにも影響する可能性がありますし、ディスクスペースも食います。できれば下で紹介するようなHUAWEIや他社のインターネットモデム(常駐ソフトを使わないもの)を用意する方が良いと思います。ただしその場合は、次に書くようにData Bonusを申し込むための携帯電話との併用が必要になるかもしれません。

TELMAプリペイドカード利用時の注意

TELMAプリペイドカード

TELMAのプリペイドカードは、そのままプリペイドカード(右の写真のようにcreditと呼ばれます)を買ってSIMカードにチャージすると、「携帯電話通話料」として登録されます。つまり携帯電話での通話やSMSに利用することを前提とした料金体系の適用を受けます。このままでもインターネット接続や、スマホ・タブレットなどのデータ通信にも使用できますが、データ通信を前提としていないため、通信料が非常に高額になり、あっという間にチャージした金額を使いきってしまうことになります。

TELMAのプリペイドカードをデータ通信用に使うためには、一旦SIMカードにチャージされた金額の中から、データ通信に使いたい分を、Data Bonusというプランに移す必要があります。Data Bonusに移すためには、上記のTELMA専用のインターネットモデムをコントロールするプログラムの中でコマンドを入れるか、携帯電話のキーを打って送信するかする必要があります。日本から持ってくるモバイルルーターや、下で紹介するUSB接続式のインターネットモデム兼ルーターなどでは、Data Bonusへ移すコマンドが打てません。ですから、携帯電話等の何らかの手段でData Bonusへチャージした金額を移した後に使うと考えてください。スマホの場合はキーが付いていますからData Bonusへの移行ができると思います。

また、TELMA直営のショップなどではData Bonusを最初からお願いして、例えば「1ヶ月1ギガでお願い」と注文することも可能です。都市にいてTELMAショップがある所でしたら、この方法でSIMカードにData Bonusをチャージすることもできます。

Data Bonusの金額と通信上限

Data Bonusには金額によって、データ通信に使える期間と、その期間の間に使える通信データ量が決まっています。代表的なものは以下ですが、最大だと、月に30ギガというものもあります。実際に使ってみた感じだと、PCに繋いでの通信で、あまり通信料が多くない人なら1ヶ月1ギガ、多めの人でも3ギガあれば良いようです。スマホだけならもう少し少なくても良いかもしれません。

1日のみ20メガ 2000アリアリ #322*6#OK
1週間60メガ 4000アリアリ #322*70#OK
1ヶ月500メガ 26500アリアリ #322*80#OK
1ヶ月1ギガ 46000アリアリ #322*8#OK

注意が必要なのは、例えば1週間60メガを申し込み、1週間経たないうちに60メガを使いきってしまったような場合です。この場合、なぜか1週間経たないことには再度同じ1週間60メガというプランを申し込めない仕組みになっています。これは最初かなり面喰いました。

ただし、期間以内でも他のプランを申し込むことはできます。1週間経たないうちに60メガを使いきってしまったら、とりあえず1日20メガをData Bonusに入れておき、翌日1週間60メガを再度入れる、ということは可能なようです。

TELMAのSIMをスマホで使う

マダガスカルのSIMカードは標準サイズで、最近のスマホやタブレットで使われる、ミニやマイクロサイズのSIMは見かけませんので注意が必要です。

スマホの場合は、普通に電話として使う分と、データ通信に使う分と、一枚のSIMの中で分けておくことが必要です。うっかりData Bonusを使わないでいると、先に書いたように、チャージした金額をあっという間に使いきって、電話もかけられなくなってしまいます。

逆にData Bonusに入れた分が無くなっても電話はかけられます。

USB接続式のインターネットモデム兼ルーター

ここで私が使っているインターネットモデム兼ルーターを紹介しておきましょう。HUAWEI E355というタイプです。SIMフリーで、マダガスカルや日本でも使えます。通信は3GやGSMで、日本の最近の高速通信には対応していません。マダガスカルは現在まだ最速で3Gですから、これで十分です。

HUAWEIのインターネットモデム

これにTELMAのSIMカードを刺せばそのままUSBモデムになりますし、ルーター機能も付いていますから、そのままスマホやタブレット、iPodなどのWifi通信にも利用ができます。USBから電機を供給してやれば単独のルーターとしても機能しますから、必ずしもPCに刺して使う必要はありません。

注意点としては、HUAWEI E355単独ではSIMカードにチャージした料金をData Bonusへ移すことができませんから、必ず先に移してから使用することが必要になります。また、残高の確認もこれだけではできません。

HUAWEI E355はブログの記事に詳しく説明しています。

PCの自動更新はオフに

プリペイド式のモバイル・モデムでPCを使う場合の注意点として、PCの設定を変え、マダガスカルにいる間は自動更新をオフにすることをお勧めします。ここで言う自動更新は、WindowsなどのOSの自動更新、アンチウィルスなどセキュリティ関係のウィルス情報ファイルの自動更新、そしてiPhoneなどiOSを始めとする、モバイル機器のOSやアプリの自動更新などです。

理由は、インターネットの接続速度が遅くてなかなか更新が終了しないこともありますが、それ以上に、こうした更新は大きなサイズのファイルのやり取りを伴うので、プリペイドで入れておいた通信量をすぐに使いきってしまうからです。

私は、1週間で60メガ分をTelmaのモバイルモデムに入れておいたことがあります。60メガはメールと若干のWEBを見たり、数分程度のSkypeをするには十分です。ところが、一度短時間繋いだだけで半分くらい一度に消費されてしまいました。特別なことをした記憶はありません。犯人はノートンアンチウィルスの自動更新でした。ノートンのウィルス定義ファイルは数十メガバイトある場合もあります。使い放題で常時接続の日本ならば全く気になりませんが、プリペイド方式では、うっかりしていると、とんでもないタイミングで使い切ってしまうことになりかねません。

またSkypeやFacebookなどもアクティブにしていると、自動で通信を行って、あれよあれよと言う間に数十メガバイトを消費してしまうことがあります。使う時だけ立ち上げるようにするのがコツです。

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