谷内の田んぼとラバカ

今日出かけたのは土壌崩壊(ラバカ)の対策を住民が行っているところ。行くまでが大変でまず、車で川の中を進みます。

車で川を進む

次には、人間が靴を脱いでじゃぶじゃぶと川を渡ります。

歩いて川を渡る

次に谷内に作られた田んぼの中を上流へと向かいます。現在乾季なので田んぼに水はなく、田んぼの中を進みます。ちなみにあぜ道のようなものはあまりつくられていません。最奥部に見えるのがラバカです。

谷内の田んぼ

奥に行くに従ってラバカが見えてきました。放置しておくと、土砂が谷内の田んぼに流れ込んできます。

見えてきたラバカ

ラバカの直下はこんな感じ。4月に住民が土砂の流れを停める工事を行っています。この様子を確認するのが目的でした。手前に少し見えている竹は住民が土砂を停める竹垣に使ったもの。

ラバカ内部

そして帰路。車が川の中でスタックしてしまいました…

川の中でスタックした車

米ぬかの使い道は?

マダガスカルの米ぬか販売

ムララノクロムの木曜市で精米した後の米ぬかを売っている二人の若い女性。聞いてみたら、同じ家族だそうですから、姉妹でしょうか。彼女たちの前におかれている大きな袋に入っている米ぬかは、右と左で色が違いますから、これも確認してみると、コメの品種が違う、ということ。これで複数の品種を栽培している農家があることがわかります。

さて、ではコメぬかを何のために売っているのか?ぬか漬けを作る?そんな習慣はマダガスカルにはありません。袋に入れて顔をこする…今の日本のお年寄り世代なら記憶があるかもしれませんが、そのような使い方もマダガスカルにはないようです。

彼女らが売っているぬかは、基本的には家畜や家禽の飼料、場合によっては養魚池にまく餌になるようです。農家で聞いてみると、豚や鶏、ガチョウなどには糠を与えている様子。自分の田んぼからの供給量で不足する場合には、飼料を買って来て与えています。

特に豚は成長が早く、子豚を購入してきて肥育すると3ヶ月あまりで80キロから100キロに育ちます。農家にとっては非常に利回りの良いビジネスですから、子豚の代金を払い、餌代にも投資をします。

ただし、ここで買われている豚はどうやら改良品種で、生産性が高い代わりに病気などに弱く、昨年も多くの村で豚が全滅したそうです。

マダガスカルのコメツキ

コメツキと聞いても今の日本人には「コメツキムシ」しかわからないかもしれませんが、ここマダガスカルの田舎では、まだコメをついています。

マダガスカルのコメツキ

村でとれたコメを女の子たちが籾が付いたまま臼のような木の道具の中に入れ、それを順番にリズミカルに木の棒で突いています。こうして籾殻と糠(ぬか)をどうじに取るようです。取った糠などはここではガチョウの餌にするとか。他の村では豚の餌にしていました。

突き終わったコメは後ろで座っている女性が、別の道具を使ってコメと不純物をより分けます。

ちなみに、コメを突くのに使う棒の材は、この辺に多いユーカリではなく、マダガスカル原産で家具にも使われる硬い木を、少し離れた別の村から手に入れるのだそうです。

動画も撮影したのですが、マダガスカルのインターネット接続環境では、遅すぎてアップロードできませんでした。