コーヒーは育たない?

マダガスカルのコーヒー

マダガスカルにはコーヒーを飲む習慣があります。多分旧フランス植民地だったせいでしょうか。苦いコーヒーにたっぷりの砂糖や練乳を入れて甘くして飲むのがマダガスカル風。

さて、今仕事で入っている地方は「コーヒー栽培には向かない」と専門家が言っていたそうです。ところが、村回りをしていると、確かにコーヒープランテーションのようなものは皆無ですが、数本のコーヒーの木が植えられていたり、僅かばかりのコーヒー豆が村の中で売られていたりします。

写真のコーヒーの木もある庭先で見つけたもの。びっしりと実を付けています。

「専門家がコーヒーに向いていないと言ったじゃないの?」

と思うわけですが、専門家の言うことが必ずしも間違っているわけでもなく、またすべて正しいわけでもありません。

例えば、輸出できるようなクオリティーの高いコーヒーがまとまった量この地域で生産できるか?と考えたら、専門家の言っていることが正しく「難しい」が答えかもしれません。

でも、農家が自家消費用や近所あるいはせいぜいが近くの町のマーケットくらいで売るくらいの質・量のコーヒーができないか、と言ったら、多分できるはず。

地場産業としてのコーヒーの育成は難しくても、個々の農家が多少の収入を得るためのコーヒー栽培なら十分可能かもしれません。

専門家と話をする時には、どのような視点に立っているかをチェックする必要があります。専門教育を受けた人は、どうしても量や質に不必要に高いものを求めがちです。